歯科情報ブログ

歯痛および顎関節症と誤診しやすい病気

2014.06.27

           

歯痛および顎関節症と誤診しやすい病気があります。十分な診断ができないと解決できない事もありますので、痛みや症状がとれない場合は専門医を受診しましょう!

最近当院で診断治療に苦慮した症例をご紹介いたします。

患者様(60才、女性)の症例

  • 「口を大きく開けたり閉じたりすると耳のあたりが痛い」
  • 「食事をすると耳の後ろが痛む」
  • 「味の濃いものを噛みつぶすと痛い」

といった具合です。

これまでに耳鼻科では異常なしと診断され、脳外科的にもCTにて問題なしと診断されていました。
最近では、痛み止めを飲んでもあまり効果はなく、何もしてない時は痛みがない時もあるが、時に「ピリッ」と数十秒間激痛が走るとの事でした。

おそらく一般の歯科医は顎関節症と診断すると思います。しかし、これは神経痛の一種で舌咽神経痛という疾患なのです。

診断の決め手となったのは、

  1. 舌咽神経の支配領域に症状がある事、
  2. 味刺激で舌の支配神経を刺激することで痛みが誘発される事
  3. 舌の奥のほうに表面 麻酔をおいて、口を開閉させる検査をすると症状が出ない事
  4. 痛みが激痛で数秒間続く事

から舌咽神経痛と診断されたわけです。

患者様は数ヶ月間食事を採るのが怖くて悩み続けていましたが、治療後は三叉神経痛に準じた投薬を服用するだけで、日常生活に全く問題がなく、症状は軽快されている状態です。

どうぞお大事にして下さい。

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